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著者近影090510

hachico / 井手蜂子 
鹿児島県出身
短歌ユニット【ivory】やってます。

自由を求めて歌う風のように、
踊る水のように、流れて、
ゆくこと。
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【掌編】 falling
  ねえ、みんなどうしちゃったの。
 人は幸せでないと生きられない、なんて誰が決めたのさ。


 なんちゃって。
 このビルは丸ごと本屋になってて二階は文芸フロアになってて、私は息苦しくて仕方がなかった。クリスマスシーズンだから店内には陽気に「ジングルベル」なんかが流れているはずなのだけれど、突然、世界のあらゆる雑音が消え気管を塞ぐような静寂が押し寄せる。大勢の人で賑わっていたフロアでいつの間にか、私はたった一人で立ち尽くしていて、まるでフロアごと満タンに海水で満たされているような息苦しさ――(水圧?)。
 私の金縛りを解いたのは、レジカウンターの上部に掲げられた店員手書きPOPの言葉で、「うまくいってる?」
「行く訳ねえだろ、ばーか、」と私の目が醒めて、ただあなたを待つ時間を消費する為に訪れたその本屋から出て行くきっかけとなったのでした。



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| 散文/詩 | 11:59 | comments(3) | trackbacks(0) | |
【掌編】婚姻届
 ぽこりと膨れたお腹に手をあてて彼は言う。
「食べ過ぎじゃね? 何が入ってんの」
「春奈ちゃん」
「…うんこに名前をつけるな」
「違うよ、本物だもん…昨日病院に行った」
彼はしばらく沈黙する。

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| 散文/詩 | 10:57 | comments(2) | trackbacks(0) | |
【掌編】血滴子異聞
  時は清朝・雍正帝の頃、皇帝は質素・倹約を旨とし世の乱れた風紀を正す善政を敷く一方で、政策に逆らい贅を好む官吏、私財を貯めこむ地方官については隠密を放ち徹底的に弾圧した。
 皇帝直属の名もない隠密集団は、その圧倒的な暗殺能力からいつしか「血滴子」と呼ばれ恐れられるようになる。


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| 散文/詩 | 18:12 | comments(0) | trackbacks(0) | |
polyphony

瑠璃玻璃の天蓋震ふポリフォニー羽根をなくした少年のゐる

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文学フリマにお越しくださった皆様、ありがとうございました。
 「ivory no.00」手元に少々在庫が残っておりますので、宅配のご要望を受け付けております。
 お気軽にお問い合わせ下さい。(宅配分は多分おまけ付きでーす☆)
 
諸事情で、暫く更新に間を空けてしまう予定です、
(今までの勢いに乗せてどんどん作る作歌のスタイルをちょっと変えていこうかな、と思っていましてですね、…うそ、それは綺麗事で、実は現実の仕事の都合とかで)。
その間、空き家にするのも寂しいので、昔書いたへんてこ掌編小説など載せるかもです。
 中には小学館の「きらら携帯メール小説大賞」の最終に残った作品やボツった作品などが出てくると思いますが、なぜこれが(笑)…という感じだったりします(笑)、小学館、ふところ深いぜ。
| 短歌 | 15:04 | comments(0) | trackbacks(0) | |
coffee & cigarette

洗面台にけむたく匂う髪が散る大人になりたかったはずの昨日


君の名はcoffee & cigarette いつものカフェのいつもの席の


折り目良い白いリネンにはじらいを偽るための薄い花の香


林檎パイ、苺のタルト、チョコレート、灰皿代わりにほら、良い感じ。


コーヒーは家で飲んだら良いのにと「ただいま」のキスに女が笑う


| 短歌 | 20:28 | comments(3) | trackbacks(0) | |
オレンジの翼
 
陽光にあこがれるだけで罪ですか燃えてちるぢるオレンジの翼

(短歌ラジオ「SOUL☆31」 へ投稿し、ラジオで詠んで頂きました☆ありがとうございます)。




廃屋の硝子障子に隠された星屑さがす三十路の子ども

(おにへー☆短歌帳 「かりおん歌会」に投稿しました、まだまだ投稿受付中のイベントですよ☆)。
※11/10現在、投稿は締め切られて投票受付中のようです。
| Relation・Collaboration | 18:36 | comments(0) | trackbacks(0) | |
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