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著者近影090510

hachico / 井手蜂子 
鹿児島県出身
短歌ユニット【ivory】やってます。

自由を求めて歌う風のように、
踊る水のように、流れて、
ゆくこと。
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【掌編】婚姻届
 ぽこりと膨れたお腹に手をあてて彼は言う。
「食べ過ぎじゃね? 何が入ってんの」
「春奈ちゃん」
「…うんこに名前をつけるな」
「違うよ、本物だもん…昨日病院に行った」
彼はしばらく沈黙する。

「金はどうするんだよ」
「あなたの会社の保険で出産祝金が50万、私の会社で30万、二重取りしたらちょっと贅沢できるよ」
「二重取りは違法だろ…それより、いつそんなに詳しく調べたんだ」
「でね、50万もらうには私があなたの妻じゃなきゃいけないのさ」
「そうだろうな」
「理解したら、サインしてくれる?」彼の前にひらりと婚姻届が広げられる。
「保険やら借金返済やらが不利になるから入籍は先って云ったの、お前だろ」
「子どもを産むとなれば別よ。三つ子を産めばお祝い金も手当もたっぷり」
「妄想はやめてくれ…4匹養うほど稼げないぞ、俺は」
「私も働くから平気よ」
彼女はそう云って微笑んだ。彼女は真剣だ。それを見た彼の瞳から涙が落ちた。婚姻届のサインがにじみ、染みとなって広がる。
「大丈夫! 書損も考慮して5枚ほどパクって参りましたので、さあ、どうぞっ!」
彼女は再び白紙の婚姻届を広げる。
どこまで本気でどこまで冗談だ? いつも冗談を交わし合いながら10年以上付き合ってきた。ずっと笑って暮らしてきた。これからもそうなるはずだった。なあ、冗談だろ? 彼の心の声と裏腹に、彼女は嬉々として新しい婚姻届を埋めていく。
「ねえ、うちはどうしてこんなに貧乏なのかしらね」
「大飯食らいの犬が1匹いるからなあ」
「真面目に話しているのよ。社会問題よ。ワーキングプアってやつよ」
「お前はそれほどワーキングしてないだろ」
「でも、あなたはあんなに働いているじゃない!」
その瞬間、彼女の瞳に正気が戻った。
彼女の身体で妊娠出来るはずがない。通院の回数も飲む薬の種類も徐々に増え、医療費が生活に食い込む。三つ子の未来なんて、夢のまた夢でしかない。
「…どうせなら、すぐ死ねる病気が良かったわ」
「長生きできることを感謝しろよ」
「働けなくなっても? 結婚できなくても? 子どもが産めなくても?」
「お前は犬より少し賢いから、俺は一緒に居るだけで楽しいんだぜ?」
その日二人は一枚の毛布にくるまって眠った。
真夏の蒸し暑さに汗ばむ彼を、彼女の冷たい体が冷やした。彼女は彼から熱を奪いながら、まだ生きられることに安心して、眠りに落ちた。
| 散文/詩 | 10:57 | comments(2) | trackbacks(0) | |
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中ではこれが面白さの芽を含んでるかな?


水準はかなり高いものを持っているが、書きたいものが定まっていない。

自分だけの世界を自分だけに語ればよい。

健在を知り嬉しく思います。

毎日書いてください。鉱脈を掘りあてるまでね。

| ボルゾイ | 2008/11/30 1:50 AM |
コメントありがとうございます。
毎日書くというのは、私にはまだ無理ですねー、申し訳ありません…。
| hachico | 2008/12/08 9:30 PM |









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